細分化する東京 - メルモートの田中サトシと清水マミ (JAPANESE VERSION)

細分化する東京 - メルモートの田中サトシと清水マミ (JAPANESE VERSION)

穏やかでかつ自殺の樹海に取り囲まれた、気まぐれな土と延々と続いてる根を張る青木ヶ原を僕たちが経つ頃にはもう3月の終わりが近づいている。アナステイジアと僕が日本での最後の三日間を過ごすために東京へと向かう。コロナウイルス19号の参上によって僕たちが始めに予定していた電車の経路が閉されてしまったせいで4時間半という長い時間バスを強いられ、やっとの思いで着いた宿泊先は新都市型ホテル。富士山の絶景を楽しみながら裸でぬくぬくゆったり入れる温泉三昧にすっかり甘やかされてしまっていた僕たちを待っていたのは、畏ったスーツを着たサーバーと、サラリーマンに人気な、まぁカプセルホテルよりはマシかなというビジネスホテルだった。

計画通り東京にいる間に作曲家かつ演奏者であり狂気の沙汰な音を出す日本のアヴァンギャルドでプログロックの、サトシとマミに会う予定である。三年前、まだコロナウイルスなんてものが世界に名を挙げていなかった頃、彼らと僕たちのバンド フィストファイト ウィズヲルブスは、サウスパークのWhistlestop で一緒にショウをやった事がある。その時の彼らの精錬されたでもレトリックではなく、断然斬新かつ理知的に色取られた音楽は色濃く印を刻んだのだった。

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日本人のハーフの僕は、日本に恋焦がれもっと近ければ良いのによく思ったものだ。なのに、日本に長い夏の一時帰国に連れて行かれるたびにアメリカをアメリカの難なく話せる友達がいないことを寂しく思うのだった。子供だった頃、二つの文化を半々に持って生きているという事はどちらの世界にとっても自分はよそ者のようで疎外感を感じ、少し大袈裟かもしれないが、自分が一自分として生きられるような空想の国を切望したのだった。サンディエゴはそんな僕にとって廃れた夢に出てくるようなトラックハウスや教会でできたオハイオなんかよりもよっぽど理想に近い場所だ。もしかするといつか中間地点の場所に行き着けるかもしれない。ハワイ辺りに。

中学時代は夏目漱石、吉川英治をボロボロになるまで読んだ。高校になると次は村上春樹や大江健三郎にどっぷりハマった。原爆前から原爆後に書かれたの古文学を好み、同じ本を何度も何度も読み返してもう本が本の形を留めなくなるまで次の本に切り替えなかった。

オハイオに住みながら、英訳された日本の古い文学に象って仕上げられ、今はなくなってしまった古き良き時代の日本を思い感傷的になり、白人二千人に対して全く当てはまらない決まりに沿って生きた。現代の日本は矛盾したアイデンティティーを身に纏っている。アメリカもそしてまた自分も。

機能異常なこの現代のサウンドトラックに最適なメルモートの登場。

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3月の終わり頃はまだコロナウイルスの方向性がはっきり現実化していなかった。僕たちはもしかしたらもうアメリカに帰れなくなるんじゃないかと心配し、東京に着いた日から1日何時間も航空会社に連絡し続けどうにか帰る方法を試行錯誤していた。

現実ははっきりと明白な時もあれば、泥沼状態な時もあった。土台がグラグラして足が据わらない。今や行き着いた場所は辿ってきた場所に似ても似つかない場所になっているだろう。もう今や、物事は非現実的なレベルに。

僕たちは僕たちの機能半停止した馬鹿げた政府の報道を遠くに聞き流しながら、物事が落ち着くまで東京にしばらく部屋を借りて待った方がいいのかとか色々話し合う。僕はアメリカに帰りたくない。国の遺産として僕たちに残されたのは失態で自己中な断崖の世代がすでに乱用して壊されてしまっているような世界に。外国のよそ者でも全然良いから僕たちの年代の若者が腐りを具現化しなければならない人生を遠くに感じられるのならこの礼儀正しいこの国に留まりたい。

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僕たちはサトシとマミに井の頭公園の近くの歩道スタンドの二階で待ち合わせ。サトシは白いシマシマのシャツに赤い長いフランネルマントを纏っている。頭にはイケてるハット。マミは黄緑の髪の毛に、タイトなスパンデックスなシャツを中に、彼女が2人くらい入るんじゃないかっていうくらい大きなジーンズを履いてレインボウ色のサスペンダーで吊し上げて対比を際立たせている。彼女の頭には大きな麦わら帽子。恐らく敢えてなのだろうが、奇妙なサトシの靴紐の色とマミの髪の色がマッチしている。

公園を彷徨う私たちは周囲の日本人とは全く違う。サトシとマミの格好はまるで純粋な想像から出てきたアニメのキャラクターのようだ。小さくて白いアナステイジアの手はガッチリくっついてしまったかの様にカメラを離さない。彼らよりも大きい僕は、ラムダスの‘今大事なのはここにいる事‘と堂々と描かれてるシャツの得意げに身につけている。僕たちは一時的に変な民族みたいに、次々に場所を移動していった。

アナステイジアは簡単な英語と手振りそぶりで彼らに方向性の指示をして、彼らも簡単な英語と手振りで対応する。双方共に時々僕に通訳を頼んできては、僕の行き当たりばったりな日本語が僕の前に立ちはだかった。そんな感じで僕たちは良い時間を過ごした。

最後は小路にある3階建ての空き家にサトシとマミがよじ登ってる姿を撮影して終了する。

彼らはデッキにジムなスティックの様にぶら下がり、それをアナステイジアは道のど真ん中に地面に這いつくばって写真を撮り、そしてそのみんなの頑張る姿を僕がまた写真を撮るという不思議な僕たち。実際横を通り過ぎていく老夫婦はまるで僕たちがイカれているかの様にジロジロ見ている。

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メルモートの2015年二枚目のアルバム「ポリゴン」は本質的で知的だ。サトシとマミは一緒に音楽をやり始めてから16年目になる。どうやら1年に一曲作るのだそうだ。

「俺たちはもっと難しくできるんだけども、聴く側の理解を得られないで離れていって欲しくないんだよね。」とサトシは言う。

「そんなわけはないでしょ」と僕。彼らの能力を疑っているわけではなく、聴く側への気配りについてだ。

「もしマミをやりたい放題にさせたらもっと全然クレイジーになると思う。」

彼ら曰く6曲収録されたポリゴンに6年かかったという。世界ではトレンド曲を作るファストフードな音楽家たちが何よりも早く曲を落としていっている中で、メルモートはジェイムス ジョイスの‘もし作家が10年かけて作品を完成させたなら、読者は読むのに20年かけるべきだ‘とかなんとかいう彼女の言葉を思い出させる。

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ポリゴン最初のトラック‘神経ハイウェイ‘は聴覚の反抗という彼らのアルバムの内省的な始まりである。サトシのギターはまだ理解できる。まずは憂鬱な部分から入っていくが、彼にとっては心地よいかの様だ。その直後に奇怪な音とパーカッションが始まり空気が変わり始め、自然にストイックに前進していく1人のチャラクターの様な役をするギターが入る。そこにマミのピアノがまるで不思議に吃っているようなリズムの音符の子音群の様に入ってくる。ピアノの音が段々とシンセサイザーに変わっていくと同時に音が太くなっていく。1:45の時点で全体の音がリズムが強化して協調性を増し始める。アルバムの中で繰り返し起こる浸透性のあるカオスは今や完全に聴く者を魅了し、マミのバックグラウンドがサトシと一緒に書く、拍子記号の変わり目をコントロールする能力に垣間見られる。僕は楽器特有のテクニックの大ファンだが、ピアノ以外のすべての楽器で子音群を作成するのはかなり難しいことなのだ。たとえばギターの場合、3秒間隔で同時に演奏するには、巨大な手を必要とする。マミの演奏の物理性は明らかであり、カーニバル風のキーボードを右手と左手の間で前後に動かすことは、モノフォニックラインとは興味深く対照的である。8分音符のラインは、リスナーがピースからピースへと惹きつけられ具体的に掴み取ることができる糸を生み出す。サトシはマミのオスティナートに対して面白いオフセットと歪んだリズムを演奏する。ついに、強力なモノフォニックシンセラインが、純粋にスタッカートの最後の瞬間の前に一瞬入り、最後に、やっとエンディングがやってくるのだ。

シンケイハイウェイの序曲に続いて、アルバムで最も印象的な曲の1つであるインポルシブパーヴァージョン イン ポリゴン。いつも御馴染みのギターのフレーズから始まり、別の無調のマミのオスティナートがほぼすぐに入ります。ドラマーの関ダイロクはマミとサトシの混沌を印象的かつ上品に統制していく。1:30の時点でギターが色こくフィーチャし始め、5/8と6/8拍子を切り替える強烈なオスティナートが登場。リズミカルな強さは、到着ではなく出発点として利用される。5/8拍子のセクションの後、6/8拍子は、5/8拍子のアイデアの拡張である、構成されたリタルダンドとして出くわす。作品の途中で、最初の探求と対照的なギターとピアノの軽い組み合わせがある。ギターのリズムは、重さへの復帰で終わる勢いを生み出し、次の重さへの復帰の前に、ギターのライト3/4拍子でフリージャズキーボードソロをフレーミングする聴覚的な街並みを作成する。3/4拍子で破滅のワルツがあり、4/4拍子から加速する前にワルツが意味合いを持ち、3/4へのテンポの変化が起こり、そして5/8拍子、さらに4/4拍子が発生し、最後に3/4拍子で終わるのだ。複雑さの上に構成された複雑さなのだ。

アニマライツは、ブレードランナー時代のヴァンゲリスを彷彿とさせる音質で始まる9分間の叙事詩だ。ギターのエフェクトとディレイは再び孤独なキャラクターを象徴し、それらの無調性な音は全音階のピアノと対照的でアルバムの中でもレアな瞬間の一つだ。シンバルは、ピアノのソフトコード進行をソフトかつ効果的に包み込む。ギターはますます影響を受け、ピアノのラインに不吉な性質が加わる。ヘビードラムはアルバムの中で連続で出てくる 4/4拍子で入り、リスナーはボス戦に近づいているように感じる。4/4拍子は、短いドラムソロの前に、6/8と2/8の変化に変形し、その後、3/8と2/8の間で自由に切り替わる興味深い吃音のピアノリズムになる。アルバムの最も興味深いピアノオスティナートの1つは、軽いピアノソロで6分を過ぎたところにあるのだ。そしてまたデイヴ・ブルーベックを彷彿とさせる5つのビートグループの別のエントリがあり、思いやりのある始まりを思わせる感情的な品質に向かってドロップバックする、恍惚としたピアノ演奏で終わるジャズソロがあるが、今やピアノと感傷的なギターが協調性を取り戻しそしてゆっくりと消えていくという演出をして見せるのだ。そして、延長する役目をし歓喜にあふれる感じで終わる。

高さ40,000ftの反撃。沈黙へのハードコアな感嘆詞を前後に、そして非常に重い5/4拍子で始まる。5/8と7/8拍子のグループの8番目の音符のオスティナートは、アルバムで以前に使用された音の要素の脱構築のように聞こえるノイズセクションに不吉に構築されている。ノイズはゆっくりと減少してから、5/8および7/8拍子のアイデアに戻り、最も激しいロックマンレベルのような新しい歪んだ音質に戻るのだ。アウトロは、リズミカルなコードヒットを進化させる大きな2/4拍子の上昇するコード進行で構成されている。

Kills Burgerは、アルバムの中でも最も劇的なオープニングを備えたまたも強力な5/4拍子の曲であり、小節の尻尾の部分に3対2のトリプルモチーフが効果的に使われてる作品だ。ドラムはフィーチャした関ダイロクさんが力強い演奏で見事に作品をまとめ上げている。曲の真ん中には25分間の狂気の音色の後に分析されたポストロックが爽やかな全音階で繰り広げられる。最後の30秒は完全マスロックの手法を使いこなしている。


Extinction of demogog は狂気なピアノから始まり、ドラム、そして歪んだギターの流れ。歪んだシンセサイザーパターンは独特のアクセントパターンを作り出し、それは典型的なメルモートのセンスである短く沸き起こるレガートラインとは相反する。マミのスタッカートテクニックと演奏の多様性の物理性は、至る所で聞こえてくる。中央には新しいピアノのオスティナートがでてくる。これはピアノのラインが可愛いくらいの乱れを生じさせるとそれを呼び出し信号とし一連が応答し、気づけばバンド全体が完全に歪んだ音を炸裂します。

ピアノのオスティナートが音域を落とすとメルモート全体が一つになる。サトシのギターはマミがどんどん変化を遂げていくリズムを毎回察知していく。作品はフリージャズとノイズのセクションへと移り変わる。そして、アルバム全体で繰り出されるその「崩壊」モチーフは、まるでこれがすべての音楽の進化が始まったスープの原型なのではという可能性、そうこれがもう一つの歴史なのだとリスナーに思い出させるかのように、最終的な形で再び現れる。そこで最終を迎える前にもう一度バンドがまとまり始める合図の様なギターのリズムが入り、マミは全て考えを出し切ったかの様にギクシャクした歪なまでのピアノが終わり、曲は分解されたギターといくつかの単音をもって終了する。

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8月1日、コービット19はもろ真っ只中。盛り上がっていた6年間のスタジオもヴァーチャルの授業になって不景気を迎える。いつもピアノのアルバムをレコードする部屋のベンチに座り、録音ボタンを押す。サウスパーク在住の金指あやりと東京のサトシとマミに繋げる。

インタビューは日本語と英語両方入り混じっているので予め誤っておく。四人とも皆相手の母国語を組み取り話す才能があるのだ。

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マット: 

どうやってメルモートは結成されたの?

マミ: 

2004年にまずサトシさんとサトシさんの友達が映画を作りたいって所から始まったの。

マット:

どんな映画?

マミ: 

サウンドトラックを作りたくて始めたんだよね。

サトシ:

でも終わらせなかったんだ。でも最初はマミちゃんが主役の妹で、歌も歌うっていう設定だったんだよね。でも映画を作るほうが全然進まなくてね。

マット:

なるほどね。でどんな映画だったの?

サトシ:

あのね、イエローケーキの話。

あやり:

イエローケーキ?

マミ:

ウランのね。

サトシ:

それがね、男の子がイエローケーキを売るっていう話なんだけど、そのイエローケーキっていうのはウランの事なの、核廃棄物の。で、その男の子はそれを一種のお守りみたいにしてて、でもそれはもちろん放射能を放っている物だから、まぁ皮肉を込めてね。

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マット:

メルモートっていうのはどういう意味?

サトシ:

メルモートはね、カフカとカミュからきてるんだ。両方の本の主役の名前メルとモートをくっつけて。でもメルモートってフランス語で死海。っていう意味でもあるのね。

マット:

‘スター‘‘バックス’でスターバックス的なね。バンド結成してどのくらい?

サトシ:

16年になるね!

マット:

すごい!僕そんなに人間関係続いた事ないな。笑 この前レッスン中にメルモートのアルバムを聴きながら、ノートをとっていたんだけど。その時の生徒は上級レベルの子で、バートックの曲を練習している最中だからメルモートを聴いても差し支えないかなと思ってね。A Perversion in Polygonを聴いて話し合ったんだ。(マットはそこでポリゴンの一小節をサラッと弾いてみせる)こういうリフは難しすぎてインプロブでなんて簡単に弾ける代物じゃないはずだけど、メルモートの作品の構成と即興の比率を教えてもらいたいんだけど。

サトシ:

そうだねー。インプロブは結構少ないんだけど、マミちゃんが即興で弾き始める所から構成が始まるんだよね。で、僕が聴きながら学んでって感じだから、結構時間がかかるんだ。

マット:

以前東京で僕が楽譜は作ってるの?って聴いた時、あなたたちは書いてはいない。って言ってたけど、もし書き出していないけど、構成かつ計画ができているとすれば、どうやって他のミュージシャンと通じ合わせてるの?テレパシー??

マミ:

私が弾き始めたものをサトシさんが転化してくれて他のみんなに伝えてくれるって感じかな。

サトシ:

セッションを通してね。

マット:

ってことはつまり、マミが即興してそれをサトシに渡しってその繰り返し。で構成が出来上がっていく。ってことはたくさん暗記するんだね。セッション中はずっと記憶しながらやってるの?

サトシ:

まぁたくさんセッションするからね。

マット:

でも他のミュージシャンは一体…

サトシ:

で、そこから僕が噛み砕いて固めて他のミュージシャンに通訳していくって感じかな。

マミ:

彼は一度理解すると、彼の音楽理論の知識を使って他のミュージシャンに伝えてくれるってう感じかな。

マット:

大半のメルモートの作品は伝統的じゃないよね。アトーナルか、シンセティックキーを使ってる。日本語で‘アトーナル’や‘シンセティックキー‘ってどうやって言うのかわからないんだけど。わかるかな?(マットが12音をパラッと弾く)つまり従来の調のハーモニーとは違うんだ。(マットが正統の歩調を弾く)

サトシ:

マシュそれ弾くの簡単?

マット:

そうだね。でもあなたたちの曲はすごく難しい。特にポリゴンはね。ポリゴンは‘ムズカシイ.‘ 何度も聴いて一体どうやっているんだろうって考えてたんだ。すごく不思議な曲だ。構成のテクニックを盗ませてもらうよ。あやり、通訳して。彼らから盗むぜって。一つ気づいたのは、メルモートはよくリズムの減少と増加をやってくるよね。作ってあるビートを縮小したりそれに足したりするやり方。(マットが例を弾いてみる)すごく面白くて好きだけど、思ったのは拍子の変えるポイントをどうやって決めているのかってこと。

サトシ:

聴いて好きかどうかで。

マット:

僕の本当の質問はこれ:音楽弾いてる時、聴者のために弾いてる?それとも自分たちのために弾いてる?

マミとサトシ:

もちろん両方!

マット:

信じない。

サトシ:

苦笑。難しく聞こえるかもしれないけど、これでも大分簡単にしてるよ。正直全然もっと難しくできるんだけど、なるべく簡単にする様にしているんだ。

マット:

じゃぁもっと難しくしてってくれ!

サトシ:

でも難し過ぎるとみんなが聞いてくれなくなっちゃうから。だから普通の人が聞いて楽しめるかどうかで決めてるんだ。難しいと聞いてくれないから。

マット:

サトシはギターだからそう思うんだよ!ピアノだとどんどんクレイジーにいけちゃうから。

サトシ:

マミちゃんはほんとクレイジー。

マット:

サトシ、マミがどんどんクレイジーになってく中、サトシあなたは落ち着きを保っているけど、それは聴者の支持を保ちたいからなんだね?

サトシ:

ハウアバウトユー?マシュはどうなの?

マット:

僕のことはどうでもいいんだ!

サトシ:

でも本当のところどうなの?

マット:

まぁ自分1人で弾いてる時はもっとクレイジーに弾くかな。でもやっぱり他のプレイヤーと弾いてる時はそんなでもないかな。まぁそれはいいとして、サトシ、あなたは彫刻家だね。

あやり:

そうなの?

マット:

そう、ブラックスミスだ。アヴァンギャルドな家具とか造ってるんだ。

あやり:

わーーー!素晴らしい!すんごいカッコいい!

マット:

典型的なあやりの反応だな。

マミ:

サトシさんは大学それで出てるんだよね。

マット:

僕がいつかお金持ちになったらあなたの家具を買うよ!(かなり高価なものを彼は手掛けているから。)彫刻をやっていることと音楽をやっていることの相互関係にどんな影響を及ぼし合ってるのかな。

サトシ:

彫刻は1人で作り上げるものだけど、音楽は他の人と一緒に作り上げるものでしょ。まぁだからそう言う意味で彫刻に制限はないってことかな。

マット:

僕が聞きたいのは、音楽彫刻両方とも造るってことに変わりはないだろ?片方で学んだことをもう片方でそのレッスンを生かしてみたりとはしてるのかい?

サトシ:

いや、別々だな。俺の中では彫刻と音楽は全く別ものかな。音楽は耳、アートは目を使うから。5感の違う部分を使って作業しているから全く別のものになるんだ。

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マット:

マミ、あなたはとても面白いファッションセンスをもってるよね。

マミ:

私は、ファッションの学校に行ったから。私の中では音楽もファッションも一緒の所から来てるかな。

マット:

あ、いいね。僕が思うにその感覚の方がもっと日本人ぽいと思うんだ。僕の日本の事についての知識は子供の頃に読んだ第二次世界大戦前の文学と、もう少し大きくなってから読んだ第二次世界大戦後の文学からきてるんだ。だから僕が日本のことを考える時、その二種類の人間に分けて考えるんだ。僕の質問は、どうやってその2種類の人間のバランスをとっているのかっていうこと。僕の会った日本人全員いつもどちらかに偏っている様に思う。あなたたちは自分でそうやって思ったことはある?

マミ:

日本人って…あんまり過去を反映していない様に感じるの。過去の間違いから学んでよくしていくことができていないっていうか。伝統を生かしている様で生かしていないと言うか。例えば着物。若い子達はあまり着たがらないでしょ。現代の日本人であまりいろんな事と結びついていないのに、こう時代の流れにチョンチョンチョンって軽くスキップする様に乗っている気がするの。私は逆にアメリカの文化に刺激を受けているわ。でも日本の事に戻すと、私が子供の頃におばあちゃんと一緒に住んでいたことがわたしのファッションセンスに大きな影響を及したし、その道を進んだのもそれに由来してるわ。おばあちゃんは編み物とか教えてくれたしね。

マット:

日本は人工が毎年減っているね。事実日本は自殺率が世界で2位だ。それに日本では人が次々に失踪する現象が起こってるって話も聞いた。実際、もし何かで恥じていたり、人生がうまくいっていなかったりして、でもお金を払えばそういう人たちを跡形もなく街から消してくれるなんていう商売もあるんだとか。だから毎年、約7万人から8万人の人たちが彼らの人生から姿を晦まして、どこか他の場所で新しい生活を始めているんだとか。

マミ:

日本ってこう何気にひどくなくても差別があると思う。気づかないうちに差別していることも。イジメも結構頻繁にある。私も小さい頃たくさん見てきたし。日本の教育が中に閉じこもってしまう人を生んでいる様に思う。だからそういう人が大人になるとうまい生き方が掴めなくて、ソーシャルしづらいのかなって思うな。

マット:

日本にいるとユニクロたくさん見かけるんだけど。UNIQLO、UNIQLO、UNIQLO、マミ、サトシ、UNIQLO、UNIQLO… あれは一体何?なんであなたたちは他の人とは違うことをする方向を選んだの?音楽にもそれが反映されてるし。なんでみんなと同じ様に生きている人たちとは違うやり方を選んできたの?だって日本ではそれが他のすべてのものよりも大切にされるでしょ。

サトシ:僕らの周りはみんなミュージシャンだったり、アーティストだったりだから、マイノリティしかいないの。大衆はいないのね。だから大衆の考えてることはよくわからない。交わらないから。でも大衆がこの社会、世界を動かしてるでしょ。でもだから僕らはそれには参加できないんだ。

マミ:

みんな安心したいんじゃないかな。でも私たちは拒否される事に慣れてるから。日本での受け入れられていないし。だから、サンディエゴのあなたたちの受け入れはすごい嬉しかった。

マット:

そうなの?でも日本にはルインズも高円寺百景もいるじゃない。

マミ:

うん彼らいるけどもね、彼らはマジョリティーの中のマイノリティーだから。

マット:

あなたたちは同じ聴衆を持ってるんじゃない?

サトシ:

いや全然。

マミ:

でも聴いてくれる人もいるけどね。例えばニューヨークに。アートのペットボトル人間って知ってるかな。ののこっていうニューヨークのアーティストのインストレーションで。そのNonokoの音楽活動でジャズやってるそこのファンベースが私たちもかってくれて、一度ニューヨークに呼んでくれて、一緒にショウをやらせてもらって、その時から、ジャズコミュニティーからのファンベースが増えたの。

サトシ:

ののこってNYで活動してた日本のサックスのプレイヤーなんだけど、彼女がショウをセッティングしてくれて招待してくれたのも彼女。彼女が僕たちが注目を浴び始めたすごく大事なキーパーソンなんだ。

マット:

じゃぁ日本よりもアメリカの方か受け入れあると感じてるの?

サトシ:

断然。もう全然違う。

マット:

本当?そうか、僕が思うに、メキシコもすごいメルモート好きになると思う。

サトシ:

本当?

マット:

間違いない。ところで、今アルバム数は合計でいくつ?

サトシ:

二枚かな。一年に一曲の速さで作ってる。

マット:

それは長い期間だね。日本でどうやって練習してるの?近所が近いでしょ。

サトシ:

週一でリハーサルスタジオで。

マット:

次のアルバム予定は?

マミ:

レパートリは今すごいあるんだけど。

サトシ:

まだ完成してないけどね。現在ドラマーがいないんだ。

マット:

サンディエゴで演奏した時もいなかったよね。

サトシ:

今はバンドは2人で形成されてる。最近はどんどん作るのも早くなってるね。

マット:

何、1ヶ月に一曲くらい?

マミ:

そう、そう1ヶ月に一曲のペースだね。

サトシ:

そうだから彼女が書いても、それをドラマーに教えるのにすんごい時間がかかるんだ。

マット:

それがドラマーだよ。笑 ってか楽譜にしてないからだよ!書き出せば、もっと早く掴むでしょ。

サトシ:

日本のドラマーは楽譜読まないから。笑

マット:

音楽専攻のを雇って!

マミ:

私たちの周りにはあんまりジャズやクラシックのミュージシャンがいなくて、主にハードコアの子たちだから。奴らは楽譜を読まないから。笑

マット:

なるほど。だからか。まぁこっちも一緒だけど。苦笑 

作曲家は誰が好き?

マミ:

コンテンポラリーミュージックかな主に。スティーブ・ライヒとか、ジョン・ゾーンとかも好き。ドラマーのチャールズ・ヘイワースも。

サトシ:

作曲家?作曲家ねー。僕はバンドが好き。イタリアのバンドZuとか。

マット:

へぇ知らないなぁ。

サトシ:

え!?聴いてみて!まぁでも僕たちの一押しはNYからのニュースクールのJobs。

マミ:

彼らはホントかっこいい。

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マット:

じゃぁ作家で好きなのは?

サトシ:

本は読まないなぁ。漫画なら。

マミ:

三島由紀夫、安倍公房あたりは結構やばい世界観出してくる。古文学も結構好き。

サトシ:

漫画だけど、ブルージャイアントっていうサックスプレイヤーの話。

マット:

好きなフィルムは?

マミ:

ジョドロスキーのホーリーマウンテン!レオスカラックスの作る映画も!

サトシ:ボーイミーツガール。ワンダフルラバー。デイビットリンチ。

マット:

あぁ僕はデイビットリンチは嫌いだ。

あやり:

ホント?

マット:

あぁ。だってジョドロスキーが手掛けるはずだったデューンをデイビットリンチが取ったから。まぁそれはいいとして。じゃぁアートの方は?視覚的アート、画家。

サトシ:

ニキドサンファーレ。草間彌生。

マミ:

京都のコレクティブのダムタイプ。

マット:

なるほど。いいね。いやぁ時間取ってくれてありがとう!今度何かお返しするよ!

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メルモートは半年間探求する価値は十分にあった。僕は彼らの謙虚な知性と彼らの芸術に対する皮肉のこもった真剣さに一貫して感銘を受けてきた。彼らの様な真剣なアーティストの群がりが少ないという現在の状況に正直いつもびっくりさせられる。メルモートはもっと認識され評価されるべきだ。だからこそこのアーティクルが読者の皆さんを、彼らのディスコグラフィーを探求する旅へと導いてくれることを願う。

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メルモートのアーティクルを書き始めてから、ボトムフィーダーの第二巻で紹介もした僕の友達のニナ・ディアリングが悲惨にも車の事故で亡くなった。死とは人の生きていた頃には見えなかったいろいろなことを明らかにするものだ。数多くの友人たちは、彼女の明るい部分と暗い部分といい複雑な人生が明るみに出てくるのを見た。結局、何重にもなった不公平な扱いにも関わらず、彼女は人生の積極性と芸術的エネルギーよりも大きな信号灯の様な人だった。

僕はできるだけ正直な記事を書こうとしてる。そして熟考の末思うことは、私たちは皆お互いに正直で共感しあえることを大事にすべきだということ。正直さと感情移入するというその二つの特質が、毒に対する解毒剤なのだということ。

ニナに乾杯

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読んでくれてありがとう。 マテェゥ レイカーズ

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Photography by Anastasya Korol

www.anastasyaphotography.com

Editing by Matt Schnarr

Translation by Ayari Kanezashi

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Subdividing Tokyo - Satoshi Tanaka and Mami Shimizu of Mermort (ENGLISH VERSION)

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